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ダイドー電子/本社工場6割拡張/50億円投資/電動車向け磁石増産

 大同特殊鋼の100%子会社で、自動車用の磁石を生産するダイドー電子(本社中津川市)は、生産体制を拡充する。約50億円を投資し、2024年に本社工場を現在に比べ約6割拡張する方針。電動車のモーター向け磁石の需要増に対応する。同時に原料の調達を中国に頼る状態の解消も進めており、安定的な生産拡大を目指す。(勝又佑記)

2022年10月12日(水) AM5:00 EX) [有料会員限定]851文字

本社工場を拡張するダイドー電子

熱間加工磁石の生産設備


 本社工場の敷地内にある既設の建屋を活用し、延べ床面積を現状に比べ約6割増の約2万9千平方メートルに拡張する。拡張スペースは24年中に稼働することを目指す。熱を加えて成形する熱間加工磁石を造るほか、磁石を切断する工程を設ける。
 熱間加工磁石の生産を増やすのは、電動車の駆動用モーター向けなど引き合いが増えているからだ。さらに同磁石はレアアース(希土類)の一種で、ジスプロシウムなど重希土類を使わずに生産できることから原料の安定調達につなげられる。焼結させて造る一般的な磁石に比べ生産時の二酸化炭素排出が大幅に減らせ、脱炭素化も追い風になるとみている。
 生産増強とともに、熱間加工磁石の開発を加速する。中津川市内にある大同特殊鋼の「中津川先進磁性材料開発センター」と連携を強化し、熱間加工磁石の特性を焼結磁石と同様の水準まで高め、顧客の技術ニーズに応える。
 このほか原料の安定確保を進め、円滑な生産増強を支える。すでにネオジムなど軽希土類は豪州からの調達を増やし、中国からは一部にとどめている。加えて中国に依存している重希土類は、なるべく使わないよう熱間加工磁石に注力。焼結磁石でも重希土類の使用を抑えている。軽希土類、重希土類ともに100%リサイクルを実現し、原料の有効活用を進めている。
 ダイドー電子は30年度に国内外の売上高で500億円を目指している。過去最高だった21年度(255億円)の約2倍に増やす。
 同社は大同特殊鋼グループで唯一磁石生産を担っている。全体の約8割が自動車向けだ。磁石は駆動用モーターに加え、パワーステアリングや電動パワーシートなどのモーターにも使われている。

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