ココが聞きたい/ネッカート会長/浜屋義幸(はまや・よしゆき)氏/タイ・チェンライ支援の取り組みは?/山岳民族の博物館開設に協力
タイ最北の地、チェンライにこのほど、山岳民族の衣装や伝統工芸品などを紹介する「さくらハマヤミュージアム」がオープンした。協力したのは、名古屋で人材派遣業を展開するネッカート(本社名古屋市中区)の浜屋義幸会長。縁あって、現地の子どもたちの教育支援をしているプロジェクトがあることを知り、感銘を受けて施設の改修費用を寄付した。「これから、名古屋とチェンライの交流に協力していきたい」と話す浜屋会長に、話を聞いた。(聞き手・竹田ゆりこ)
2022年10月12日(水)
AM5:00
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―「さくらハマヤミュージアム」開設の経緯から。
「『NGOさくらプロジェクト』の三輪隆代表とお会いしたのがきっかけ。さくらプロジェクトは1991年に、タイ北部山岳少数民族の子どもたちの教育支援を目的に発足した。タイ・チェンライで、子どもたちが生活するための寮や、さくらハマヤミュージアムの前身である文化交流会館を運営し、里親の仕組みで支援の輪を広げている」
「活動に、心を打たれた。また、三輪代表は、山岳民族の伝統的な刺しゅうや織物などの工芸品をはじめ、さまざまな資料を現地で収集されており、その文化的価値の高さを実感した。設立30周年の記念事業の一環で、施設を見直す計画があると聞き、これらの資料の保存や技術の承継に向けて、改修工事の資金協力をさせていただくことになった」
―どんな施設が完成したのか。
「3階建てで、1階がミュージアムとカフェになっている。寮の子どもたちが作った刺しゅうのポーチなど小物類を販売する予定。2階はホールで、山岳民族の農具や生活用品、楽器、民族衣装などを展示している。3階は順次、拡充していく」
―今後ネッカートとしては、どう関わっていくか。
「さまざまな取り組みを考えている。まずは、チェンライと名古屋の交流。たとえば旅行会社に対して、観光ルートにさくらハマヤミュージアムを組み入れてもらえないか、提案したい。また、本業の人材派遣で、寮の優秀な卒業生たちが名古屋の企業で就業できるようなサポートを行っていきたい。現地で日本語を教えたり、奨学金制度をつくるなど、施策を検討している。過去、銀行で働いていた頃の人脈も生かし、名古屋とチェンライの交流のお手伝いができれば、と思う」
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