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今週の参考銘柄/東海東京調査センター企業調査部アナリスト/柴田竜之介/住友電気工業/利益拡大への道筋が多い

2022年10月12日(水) AM5:00 EX) [有料会員限定]902文字


 住友電気工業(以下では住友電、銘柄コード5802)は、住友家にルーツをもつ電線メーカー。祖業は電線であり、逓信(ていしん)省への納入、世界最長の海底ケーブルの開発などを糧に、業界での地位を高めてきた。
 戦後からは、電線以外にも事業領域を拡大。現在は電線に加えて、自動車用ワイヤーハーネス(WH)を中心とする自動車部品、光ファイバーを含む光通信機器、フレキシブルプリント回路(FPC)をはじめとする電子部品、切削工具などの工業用製品、等を展開。
 弊社では、主に次の3点から、住友電の投資評価を強気でみている。1点目は、自動車用WHの受注回復である。COVID―19以降、長らくサプライチェーンの混乱から完成車メーカーの生産に遅れが生じてきた。
 しかし、足元の自動車生産動向や業界統計をみるに、弊社では回復の兆しがあると考えている。自動車用WHの受注・出荷は完成車メーカーの生産動向に対して比較的スムーズに反応するため、主に10月以降からは増産効果が期待できよう。
 2点目は構造的に成長が期待できる製品を有することである。弊社では特に、光ファイバーと電力ケーブルに注目している。まず光ファイバーでは欧米での敷設ニーズの高まりやデータトラフィック量の構造的な拡大から需要が旺盛である。
 次に電力ケーブルでは洋上風力発電、連系線、インフラの更新投資などから潜在需要は大きい。弊社ではこれらの製品は、住友電の利益を景気循環によらずに構造的に押し上げるドライバーになると考える。
 3点目は構造改革が奏功していることである。住友電は過剰な生産能力を抱え、ここ数年苦戦してきたFPCで拠点整理を実施。損益分岐点は下がり、稼働率を無理に上げる必要性が小さくなったため、不採算品から撤退することが可能になった。整理にともなって損失を計上したが、テコ入れの結果、利益が出る体質への切り替えが進んだ点は評価できよう。
 なお、弊社では、住友電の通期営業利益は2023年3月期1571億円(前年比29%増)、24年3月期2185億円(同39%増)と拡大すると予想。24年3月期には過去最高の営業利益を更新する可能性が大きいとみる。

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