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資産運用の知恵袋/SBI証券投資情報部長/鈴木英之/過度な懸念は不要か

2022年10月12日(水) AM5:00 EX) [有料会員限定]1,022文字


 7日に発表された米雇用統計(9月)では、非農業者部門雇用者数が前月比26・3万人増と市場予想(25・5万人増)を上回り、失業率が3・5%と市場予想(3・7%)を下回った。
 これらから、米国では引き続き労働市場が強いと解釈され、次回(11月2日)のFOMC(米連邦公開市場委員会)でも0・75%の利上げが実施されるとの見方が、より優勢になってきた。
 結局、NYダウは5~10日に4営業日続落して計1113ドル下げ、米10年債利回りは再び3・9%手前まで上昇し、ドル・円相場は再び1ドル145円台に乗せてきた。
 これを受けた3連休明けの東京株式市場では、日経平均株価が売り先行となった。今後も短期的には波乱含みの展開になりそうだ。しかし筆者は、日経平均株価の下落は限定的にとどまると考えている。
 米雇用統計(9月)について、非農業者部門雇用者数は、昨年4月に並ぶ低水準で、動向は減少傾向にあるとみられる。失業率の低下も、労働参加率が下がっている分は割り引いて考えるべきであろう。
 原油価格や商品価格の落ち着きに加え、住宅価格のピークアウト、労働市場で求人の減少など変化の兆しが出ているため、近い将来米インフレ率が減速に向かう可能性は徐々に大きくなっていると考えられる。
 ただ、米国経済にはまだ「余熱」があり、当面は「強い雇用統計」や、「高止まりする消費者物価」が残ることも想定されていた。総じて、米雇用統計(9月)は驚くほど強い結果というわけではなかったとみられる。
 今週は13日(木)に米消費者物価指数(9月)の発表が予定されており、市場の警戒は続くとみられるが、仮に強い数字が出ても、上記の「余熱」の存在を理解し、よほど上振れない限り過度に気にしない方がよいと思われる。
 今週は14日から米国で7~9月期の決算発表が本格的に始まるはこびになっている。国内では6~8月期の決算発表が最終段階となり、来週以降は7~9月期の決算発表が始まってくる。市場の関心はマクロからミクロに移っていくと考えられる。
 11日からは、新型コロナウイルスの水際対策がさらに緩和され、入国者上限の撤廃、個人旅行の解禁等が実施される。全国旅行割・イベント割など、国内旅行やイベントなどを促進する政策も実施される。
 陸運や空運などを中心に、株価が「コロナ前」の水準を回復していない産業も多いとみられ、これらの関連株が物色されれば、日本株市場全般が下支えられると期待される。

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