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市販化への道もじわり/水素エンジン、レース参戦1年超/自動車①/ 液化水素やCN燃料、全方位で脱炭素に挑むトヨタ/ 

■CN燃料  水素エンジン搭載車両で、トヨタがレースへの参戦を始めて、1年以上が経過した。レース毎に課題を抽出し、改善を重ねており、市販化への道もじわり見えてきた。液化水素や、合成燃料「カーボンニュートラル(CN)燃料」など選択肢を増やすことで、全方位で脱炭素に貢献する考えだ。また同時に水素の利活用や、CN燃料の運用では、仲間づくりにも力を入れている。

2022年10月12日(水) AM5:00 EX) [有料会員限定]1,049文字

今年からはCN燃料搭載車両でも参戦

水素エンジン搭載車両でレースに挑んでいる


 トヨタ自動車は今年、スーパー耐久シリーズ2022に参戦。昨年に引き続き、水素エンジン搭載車両を走らせたほか、今年からは、CN燃料を用いる車両も投入している。
 水素エンジン車での参戦は1年以上経過した。これまで航続距離や出力、水素の充〓(〓(塡))時間などで、性能を向上させてきた。GAZOO
 Racing
 Companyの佐藤恒治プレジデントは市販化への道を、富士登山に例え、「これまでは登る山すら分からなかったが、現在は4合目まで登れている」と強調している。今後はレースだけでなく、日常使いで必要なデータの収集などにも着手していく考えだ。
 今年から参入した、CN燃料は、回収した二酸化炭素(CO2)と水素、バイオマスを由来とした成分を合成して製造している。燃焼時には、CO2を排出するものの、回収、または吸収分で帳消しにできるという考え方だ。
 ■現状の内燃機関
 CN燃料を使って参戦しているのは、トヨタの「GR86」と、スバルの「BRZ」。またマツダは、ユーグレナ(本社東京都)製の次世代バイオディーゼル燃料を使用して参戦している。富士スピードウェイでの第2戦では、日産自動車が新たにCN燃料での参戦を発表。CN燃料などは、現状の内燃機関を大きく変更する必要がなく、スムーズに脱炭素社会の実現につながる。
 ただ、水素エンジン同様、CN燃料も現状では課題が山積している。トヨタとスバルが使用しているCN燃料は、再エネで製造した水素が必要な上、再エネを直接使用できるEV(電気自動車)と比べると、エネルギー利用効率がまだ低い。
 また、マツダが使用するバイオ燃料も、植物や藻類の生育、培養にかかるエネルギーなど、現状では製造コストに課題を抱えている。
 レースを通じて、水素やCN燃料に関する仲間づくりも進んでいる。昨年5月の初参戦時に8企業・団体だった仲間はレース毎に増え、6月の富士スピードウェイでのレース時には、24企業・団体まで、その輪が広がった。今後も水素を「つくる」、「はこぶ」、「つかう」、それぞれの分野で仲間づくりを進めていく考えだ。

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