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科学する人/電波天文学者/立松健一さん/(上)/星の誕生場所探る/45メートル巨大望遠鏡を駆使

2022年10月12日(水) AM5:00 EX) [有料会員限定]594文字

野辺山宇宙電波観測所の立松健一所長(本人提供)


 八ケ岳の東麓に広がる高原に、直径45メートルの巨大なパラボラアンテナがそびえ立つ。宇宙のかなたで天体が放った電波を捉える国立天文台の野辺山宇宙電波観測所(長野県南牧村)。この施設で所長を務めるのが立松健一教授(63)だ。
 星の誕生や成長をテーマに長年研究を続ける。「オリオン座では質量の重い星が盛んに生まれるが、近くのおうし座ではもっぱら軽い天体が生まれる。誕生する星の質量がどう決まるのかはよく分かっていない」
 立松さんは水素分子が高密度で存在し、星が誕生する母胎となる「分子雲コア」に注目。1990年代から45メートル電波望遠鏡を使い、オリオン座のどこに存在するのかを分析してきた。画期的な成果を上げたのは2020年。星が生まれそうな分子雲コアでは、水素の2倍の重さを持つ重水素の割合が高いことを利用し、世界で初めて”臨月の雲”の存在場所を示す地図を作成した。
 今後の目標は、より広い領域の地図作り。そのために重水素を含む分子の広域観測を可能にする受信機を自ら設計し、20年に大型の科学研究費を獲得した。45メートル電波望遠鏡に搭載して最先端の観測環境を整え、国内外の研究者にも有償で利用してもらう考えだ。
 
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 たてまつ・けんいち
 1959年名古屋市生まれ。88年名古屋大大学院博士課程修了。米テキサス大研究員などを経て、2007年国立天文台教授、17年から観測所長。

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