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変える!シニアの部屋探し/(3)/山本遼/92歳の借り手の仲介経験/「高齢者」は千差万別

2022年10月12日(水) AM5:00 EX) [有料会員限定]695文字

  イラスト・金川カモメ


 私が起業した、シニアの賃貸物件探しをお手伝いする「R65不動産」の会社名の由来は「65歳以上」からきています。「高齢者不動産」といった名前の方が分かりやすいのではないかと言われることもありますが、あえて「高齢者」という言葉を使っていません。一言で「高齢者」といっても、千差万別。ひとくくりにできないことを実感しているからです。
 起業して、多くの「高齢者」と呼ばれる方々に物件を紹介してきましたが、92歳のご夫婦はこれまで仲介を担当した中で最高齢でした。長い間マンションの管理人を務めてこられたこともあり、背筋をピンと伸ばして理路整然と会話し、とてもお元気でした。
 現在の不動産業界では、年齢が高いからというだけで賃貸住宅を借りられない場合があります。
 5年ほど前、70代の女性から部屋探しの依頼をいただきました。その方自身は経済的に余裕があり、さらに保証人となる息子さんも社会的に信頼度の高い職業であるにもかかわらず、いくつも入居を断られてしまったのです。
 3カ月ほどかけてやっと物件が決まりましたが、女性が「こんなに見つからないんだったら、家を買うしかないのかしら」とおっしゃっていたのが印象的でした。なぜ審査が通らなかったのか、私自身もよく分からず、不思議な気持ちになったことを覚えています。
 もちろん、不動産会社は借り手の健康状態を考慮して対応することが必要です。ただ人を年齢だけで判断せず20歳でも65歳でも100歳でも、同じように賃貸住宅で暮らせる選択肢を提供できれば、借り手も貸し手も幸せになれるのではないか。そんな社会になるよう願いながら活動しています。 (R65不動産社長)

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