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「2024年問題」対応急ぐ/業務効率化の動きが加速/陸運・倉庫・タクシー/深刻な人手不足、輸送能力の向上進める

■時間外労働規制  物流業は経済活動に欠かせない重要な社会インフラ。製造業や商品流通を陰で支えている。ただ、人手不足が深刻な業界で、トラック運転手の残業規制が始まる「2024年問題」による、輸送能力の低下が懸念されている。トラック運転手1人当たりの輸送能力を引き上げるため、業務効率化が喫緊の課題だ。タクシー業界でも、配車アプリを用いた業務効率化に注目が集まっている。

2022年10月12日(水) AM5:00 EX) [有料会員限定]1,120文字

㊤トラック運転手の減少で、30年に輸送能力が3割減するという試算がある ㊦配車アプリで効率よく利用者を探せるかが、タクシー業界の課題だ (両写真ともイメージ)


 24年4月から、自動車運転業務の時間外労働に年間960時間(月80時間)の上限規制が適用される。トラック運転手の労働環境を改善する狙いだが、人手不足が深刻な物流業界では「輸送能力が低下し、事業継続が困難になる」と不安視する声が多い。業界では「2024年問題」と呼ばれ、対応を急いでいる。
 今の状態で24年を迎えると、輸送能力の低下は避けられない。物流の円滑化を担う日本ロジスティクスシステム協会(東京都)は「30年には物流需要の約36%が運べなくなる」と予測している。
 大手運送会社の関係者は「03年にトラック運送業の参入規制が緩和され、事業者間の競争が激化した。それに伴い、トラック運転手の労働環境が悪化し、人手不足に陥った」と説明する。
 ■共同輸送
 サントリーホールディングス(HD)と大王製紙は8月、関東と関西間の製品の共同輸送を開始した。岐阜県と静岡県を中継地点に1台のトラックで両社の製品を混載する。異業種間で輸送を集約化し、輸送回数の削減を狙う。
 共同輸送では、サントリーHDが関西から関東に飲料製品を輸送する際に、岐阜県(川辺工場)で大王製紙の紙製品を混載する。また、サントリーHDが関東から関西に輸送する場合は、静岡県(北山倉庫)で大王製紙の製品を混載する。
 共同輸送に伴い、トラック運転手の年間の総運転時間が36・4%、二酸化炭素(CO2)排出量は31・1%の削減を見込んでいる。中部運輸局によると、「異業種間の共同輸送は全国でも珍しい。業務効率化を目指し、取り組みを推進したい」と話している。
 ■配車アプリ普及
 タクシーの営業には、街を走りながら利用者を探す「流し」と、利用者から連絡を受けて迎えに行く「無線」の2種類がある。近年、利用者が配車アプリを通じて、タクシーを呼ぶケースが増えつつある。
 名古屋タクシー協会(名古屋市)によると、名古屋地区で利用されているアプリは4種類。同協会に所属するタクシー事業者の9割以上がアプリでの配車に対応している。
 天野清美会長は「コロナ禍での廃業もあり、タクシー運転手の人手不足は深刻だ。人手を増やすのも重要だが、配車アプリで業務効率を改善し、タクシー運転手1人当たりの生産性を向上することも重要だ」と指摘する。

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